
1.はじめに
カーボンニュートラル(脱炭素化)の実現を目指して、温室効果ガスの排出量をサプライチェーン全体を通して削減するニーズが高まっており、その取り組みの一環として近年、バイオマスプラスチックを用いた製品が我々の身近なところに誕生しております。
本記事では、我々の生活の中に浸透しつつあるバイオマスプラスチックが一体どういうものなのかについての解説と併せ、世に初めて登場したバイオマスLED照明誕生の裏側についてお伝えいたします。
目次
2.バイオマスプラスチックとは
そもそもバイオマスとは、動植物から生まれた有機物資源を指します。
つまり、生物由来の再生可能な有機物資源であるバイオマスを原料として作られ、土に還すことのできるプラスチックのことを、バイオマスプラスチックと言います。
一般のプラスチックは石油等の化石資源を原料として生産されていますので、地球温暖化の原因 となっている温室効果ガスCO2を生産時・廃棄時問わず排出します。
それに対し、新素材であるバイオマスプラスチックは、CO2を排出しない植物由来のサトウキビ、トウモロコシ、ジャガイモ(でんぷん)などの有機資源が原料となるため、石油由来のポリエチレン(PE)と比べ、約55%の温室効果ガス削減効果があるとされております。
参考:一般社団法人日本LCA学会「気候変動の緩和策と適応策」https://www.ilcaj.org/meeting/13th/files/os_ma_abst.pdf

3.バイオマスプラスチックとLED照明の相性
では、バイオマスプラスチックをLED照明に用いるとは、一体どういうことなのでしょうか。
LED照明(及び蛍光灯)には金属やガラスに見せかけて、実はプラスチックを使用している部分が2つ存在します。

①カバー
LED照明(及び蛍光灯)の光る本体部分には、一般的にポリカーボネートと呼ばれるプラスチック素材が使用されています。

②口金
口金(G13)とは、受け口であるランプホルダーに取り付ける部分の事を指します。こちらも実は、電気を流す金属ピン以外はポリカーボネートで構成されています。

上記のプラスチック部品をすべて交換することにより、LED照明(及び蛍光灯)材料の1/3以上を地球環境に優しいバイオマス由来のものにすることが可能となるのです。
4.環境に与えるインパクト
従来、石油由来100%のプラスチックが使用されていましたが、バイオマス由来のものを使用することにより、生産時に発生する温室効果ガスは現行品と比べ約50%も削減することが可能となりました。また、有機資源を育成する際、光合成により二酸化炭素を吸収するなどの相乗効果も認められます。
更に、製品の84%がリユース可能なLED照明:リシャイン(https://appletree-ws.co.jp/media/post-1387/)と組み合わせることができれば、更なる温室効果ガスの削減効果が期待することができます。
5.環境に優しいLED照明の開発秘話
これらの開発が出来た背景には、常に新素材に着目する技術面の洞察力と、国内に生産工場を構えていることで再生工場として運用出来る事が大きな利点となりました。
特に、リユース可能なLED照明リシャインに関しては、回収・分解・清掃・部品交換をスムーズに行う必要があるので、距離が近い国内に工場を構えていることが開発の大きな後押しとなりました。
6.まとめ
アップルツリーでは、今後も地球環境に優しい取り組みの一環として、誰もが安心して使える製品の開発に積極的に取り組んで参ります。
「環境に配慮されたLED照明」についてのご興味がございましたら、お気軽にアップルツリーまでお問い合わせ下さい。