前回のコラムでは、SDGsが掲げている17のゴールから「13.気候変動に具体的な対策を」について解説をしてきました。
SDGsのゴール解説コラムの14回目として、今回取り上げるのは「14.海の豊かさを守ろう」です。
続けてSDGsへの理解を深めていきましょう!
14.海の豊かさを守ろう
地球に、そして人々の生活に欠かせない海ですが、徐々にその豊かさが失われつつあります。海の表面積は地球の約7割以上にも及んでおり、約20万もの生物が生息しています。しかし、プラスチックなどによる海洋汚染や生物の乱獲などが大きな問題となり、生態系を破壊しているのです。
世界経済フォーラムの発表によると、2016年時点で海の中には約1.5億トン以上のプラスチックがあり、さらに毎年約800万トンが流れ出ているとされています。この状態が続くと、2050年には海にあるプラスチックが魚の量を上回るとも。
「海の豊かさ」を守るためにも、海と人がどのように関わっていくのかを考えなければいけない時代に差し掛かっています。
SDGsはこの点に対し
- 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。(14.1)
- 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。(14.2)
- あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し対処する。(14.3)
などの目標を掲げ、問題解決に取り組んでいます。
参考:世界経済フォーラム「https://www3.weforum.org/docs/WEF_The_New_Plastics_Economy.pdf」
私たちへの具体的な影響
世界中で大きな問題となっている海洋汚染ですが、私たちにとっても遠い世界の問題ではありません。
農林水産省「平成29年度 水産白書」によると、日本は「1人1年当たり食用魚介類消費量」で世界3位となっています。魚離れが進んでいると言われつつも、人々の生活と海産物が切っても切り離せない環境にあることがわかります。このままでは、サンマやイカ、サケなどが食卓から消える可能性があるのです。
また、日々食べている海洋生物のなかにプラスチックが入り込んでいることも大きな問題です。マイクロプラスチック問題については以前も「マイクロプラスチックって何?環境や人体への影響を解説」の記事で取り上げましたが、プラスチックを蓄えた魚を食べることで、「がん」や「代謝性疾患」を発症する確率が高くなり、健康にも甚大な影響を及ぼす可能性が高くなっています。
これらの事態を深刻化させないためにも、日々どのようにしてプラスチック排出量を減らし、海を守っていくかが一人ひとりに問われているのです。
プラスチック問題を解決する可能性がある「生分解性プラスチック」についても取り上げていますので、ぜひ下記の記事も合わせてご参照ください。
関連記事:マイクロプラスチックって何?環境や人体への影響を解説
関連記事:【マイクロプラスチック問題】生分解性プラスチック『地球に還るプラスチック』って?
次回は「15.陸の豊かさも守ろう」について紹介していきます。
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