私たちの生活に欠かせない「衣食住」。そのうちの一つ「衣」を担うファッション産業は、実は製造から廃棄に至るまでに多くの二酸化炭素を排出してしまうとの問題を抱えています。
この問題はSDGsのターゲット「12.つくる責任 つかう責任」について解説した記事でも触れました。限りある地球の資源を有効に活用していくためにも、「つくる責任」・「つかう責任」が求められているのです。
関連記事:【SDGsのゴール】12.つくる責任、つかう責任のターゲットとは?
この記事では、ファッション産業の課題と各企業の取り組みについて紹介します。ぜひ最後まで読んでみてください。
ファッション産業が抱える課題とは
環境省の資料によると、ファッション産業は国連貿易開発会議(UNCTAD)によって「世界2位の環境汚染産業」とみなされています。
毎年の温室効果ガス排出量は合計12億トンの二酸化炭素に相当。具体的には、原材料調達から製造段階にいたるまでの環境負荷を服1着あたりに換算すると、二酸化炭素を約25.5キロも排出していることになるのです。
SGGsのターゲット、「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「12.つくる責任 つかう責任」にもあるとおり、持続可能な社会を作るために二酸化炭素排出量をどのように減らしていくかがファッション産業にも求められているのです。
各企業の取り組み
国内においても、さまざまなアパレル企業が二酸化炭素排出量削減に取り組んでいます。今回は、ファーストリテイリングとナイキの活動をみていきましょう。
ファーストリテイリング
ユニクロを運営するファーストリテイリングは、服の製造から販売後にいたるまで環境への取り組みを多数行っている企業です。
生産工程においては、原材料や生地、水、電気などを無駄にしない服づくりを進めています。加えて、生産数量の予測精度改善や物流の見直しによって、服を必要な量かつ最適なタイミングで供給し、生産や販売における無駄をなくしているのです。
さらに特筆すべきは、販売後の全商品を回収しリサイクル、リユースする取り組み「RE.UNIQLO」です。2006年以来、ユニクロはユーザーが使わなくなった自社の服を回収し、服を必要としている世界中の人々に届ける取り組みを行っています。この活動は年々拡大を続け、2020年には75の国・地域において4,111万点の服を届けているのです。
ナイキ
ナイキは「Move to Zero」と呼ばれる、環境のためのサステナブル活動を実施しています。
「Move to Zero」の具体的な取り組みとしては、下記5点が挙げられます。
- ナイキは2050年までに、ナイキ所有及び運営する施設の100%再生エネルギーでの稼働を目指します。
- ナイキは2015年パリ協定に即し、2030年までに世界のサプライチェーン全体からの炭素排出量を30%削減します。
- ナイキは全てのフットウェア生産過程から生まれた廃棄物の99%を、廃棄せず再活用します。
- ナイキは1年に10億本以上のプラスティックボトルを廃棄する代わりに再利用し、新しいジャージやフライニットシューズのアッパーのための糸を作ります。
- Reuse-A-Shoeとナイキグラインドの各プログラムは、廃棄物を新しいプロダクト、遊び場の路面や陸上のトラックやコートに変えています。
このようにナイキは、再生可能エネルギーの活用や資源の再利用によって、二酸化炭素削減のための具体的な活動を行っています。
出典:NIKE NEWS「気候変動に対するナイキの姿について」
ファーストリテイリングやナイキと同じく、アップルツリーも環境負荷軽減のために、カーボンフリーLEDシリーズ「REShine(リシャイン)」を販売しています。
関連記事:製品の84%をリユース可能!「REShine(リシャイン)」によって環境負荷軽減を実現
各業界において、一つひとつの企業が二酸化炭素排出量削減に取り組むことが何よりも大切なのではないでしょうか。アップルツリーは今後も環境に関する問題を発信してまいります。ぜひ環境問題について考える参考としてください。