地球温暖化防止を始めとして、環境に関わる問題は日本だけではなく世界中で真剣に考えていかなければいけません。環境を保っていくために各国政府はさまざまな取り組みを行っていますが、そのサポートをしている組織がIPCC(気候変動に関する政府間パネル)です。
「もっとIPCCについて知りたい」と考えている方向けに、この記事ではIPCCの概要について簡単に解説していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。
IPCCとは
IPCCとは、Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)の略称です。世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって1988年に立ち上げられた国をまたいで構成されている政府間組織であり、2021年時点で195の国と地域が参加しています。
その目的は、科学的・技術的・社会経済学的な観点から環境に関わる情報を集めて提供し、各国政府が環境政策を進めやすくなるようサポートすることにあるのです。そのため、IPCCが発表するレポートは、特定の国に偏った内容ではなく、各国に対して中立でなければいけません。
IPCCは3つの作業部会で構成
IPCCによる報告書は3つの作業部会によってそれぞれ作成されており、それぞれの作業部会は下記の役割を持っています。
- 第1作業部会(科学的根拠):気候システムおよび気候変化についての評価を行う
- 第2作業部会(影響、適応、脆弱性):生態系、社会・経済等の各分野における影響および適応策についての評価を行う
- 第3作業部会(緩和策):気候変化に対する対策(緩和策)についての評価を行う
参考:環境省『IPCC 第5次評価報告書の概要』
1988年の立ち上げ以降、2022年までに全6回の報告書が提出されています。
2007年に発表された「第4次評価報告書」では、
- 気候の変化はすでに深刻な脅威であること
- 地球温暖化の進行には人類の活動が直接的に影響していること
2014年に発表された「第5次評価報告書」では、
- 地球温暖化の進行は疑う余地がないこと
- 1950年以降の温暖化は前例がないこと
- 全大陸・海に気候変動の影響が現れていること
などが言及されました。
2021年から2022年にかけて第6次評価報告書が公表
2014年の第5次報告書の発表を経て、2021年~2022年には「第6次評価報告書」が順次公表されています。それぞれの作業部会は、以下のような内容などを新たに発表しました。
第1作業部会
- 地球温暖化が地球のあらゆる地域に影響を及ぼし、その影響によって多くのものが元に戻らなくなっている
- 2100年までに、地球温暖化の進行を1.5°Cまでに抑えれば、人類と地球環境にとってプラスとなる
第2作業部会
- 世界の33~36億人が気候変動に対応できていない
- 気候変動対策に一定の効果は出ているものの、満足ではない
- 生物に関わる多様性や生態系保護が重要
第3作業部会
- 社会システムを変革する取り組みが必ず必要
- 各国がスピーディーに効果的な取り組みを行えば、進行を1.5°Cまでに抑えることは可能
まとめ
この記事では、IPCCの概要について紹介をしました。世界がどのような課題を抱えているか、どのように進んでいくべきかの指針などを示す報告として多くの国から注目を集めています。
これからも当社は、環境に関する問題を発信してまいります。ぜひ今後の取り組みの参考としてください。
出典:IPCC
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